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8年

あの日から8年が過ぎた。あの日はまだ高校生で、部活が終わって通知がやたら多いな、地震か、どうせそんな大したことないだろうって思って家に帰った。

テレビを付けて、黒く濁った津波が人を車を家を街を飲み込んでいく映像がショックですぐ消した。

自分の生まれ育った街がもし家族がもしああなったらと思うと怖かった。

毎日毎日震災の報道で正直もういいんじゃないって思ってた。それでいつのまにかテレビでも報道されなくなって被災地からかなり遠いところで生きていた私は以前と全く変わらない生活をしていた。

追悼番組の時しか思い出さなくなっていた。

 

何年かして家族で気仙沼に行って少しは戻っているけれど私の街とは全然違う光景を見て、復興への時間のかかり方を思い知った。

 

そして2016年。今度は私が被災した。信じられなかったし単純に怖かった。離れて暮らしている家族や友達は大丈夫なのかってそればっかり。被害の少ない地で以前と変わらない生活をしている自分が嫌になって本当に嫌だった。

街に貼り出してある赤紙から目を背けた。

 

マスコミが最初の方は取り上げて報道するのに、でも被災者のことは考えてなくて、少ししたらなかったことにしているみたいで本当に信じられなくなった。私は私が見て感じたものしかこれからは信じないって決めた。

小さな日常の幸せを大事にできる人になろうって決めた。

 

あれから8年。卒業して就職してあの時勉強してた英語を今でも勉強している。やりたいことも増えた。でも精神的に成長したかといえばそうでもないような気がする。年は取ったのに。

 

被災地の復興と被災者の心の復興を1日でも早く。3.11/2019